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答えは幾つかありますが、

①あまりスマートではない答え

『はい』、『いいえ』を1度ずつとは言ってない点を利用する。

例えば、面接官に対して「持っているのが1000円なら1回、5000円なら2回、10000円なら3回、『はい』と言ってください」等と言う。

確かに一理はあるが、あまりに凡庸過ぎる回答ではないだろうか。そもそも『いいえ』の回答が意味を為していない時点で出題者の本意に沿った回答とは言えない。これなら『はい』という回答すら必要とせず、頷いてもらうでも、手を挙げてもらうでも良くなってしまう。

こんな回答をしたり顔で言う人間はまず採用しない。

②及第点の答え

特定の条件を付加して、『はい』、『いいえ』に『無回答』という第三の選択肢を用意する考え方。

例えば「1000円以外を持っている人だけ回答してください。貴方が持っているのは5000円ですか」等と言う。

面接官が持っているのが1000円なら『無回答』になるし、5000円なら『はい』、10000円なら『いいえ』となる。

勝手に「無回答」という、第三の選択肢を増やしてしまっているので、あまりスマートな回答とも言い難いが、条件はクリアしているので、このように答えられる人間ならば、採用する可能性はある。

③４次元の答え

回答までの時間を利用する考え方。

例えば「あなたの持っている金額を1000で割って、1362を掛けた時、その数字は6850より大きいですか」等と言う。

もし面接官が1000円を持っていた場合、1×1362で、明らかに6850より小さいので、『いいえ』と即答することが出来る。また10000円を持っていた場合も、10×1362で、明らかに6850より大きいので、『はい』と即答することが出来る。しかし、5000円を持っていた場合は、5×1362で計算に時間が掛かるため、しばらくしてから『はい』と答えることになる。

こういう答えが出てくる人間なら積極的に採用したい。不可能を可能にしそうである。

④異次元の答え

ヘンペルのカラスの理論的な考え方を利用する。上記③の回答自体は素晴らしいが、万が一、面接官が暗算が得意だった場合は絶対ではない。それに比べて、この考え方であれば、『はい』『いいえ』の二通りの選択肢だけで、確実に答えを導くことが出来るのである。
もっとも、論理としては完璧であっても、実際、面接官が持っている金額を導きだすことは、常識的に不可能であることが大きな難点ではある。

例えば「本日は準備不足のため、その質問に回答出来ませんが、準備する時間をいただければ可能になります」と面接官に対して言う。
面接官が興味津々に準備とは何か聞いてきたら、「日本政府が現在までに発行した全ての1000円札を回収してきます。その後にあなたの持っているのは5000円ですか？と聞けば、あなたが何円を持っているのか答えが分かります」と言う。

もし面接官が『はい』と答えたら持っているのは5000円。『いいえ』と答えたら、現存する1000円は全て自分が所有しているので、必然的に10000円ということになる。

こんな回答をする人間が面接に来たら、怖くてとても採用は出来ない。
面接官が天才か、サイコパスなら好感触を得られるかもしれないが。

2024.03