江戸の町で商売を営んでいた貴方のところに、身なりの良い若者が訪ねてきた。
「子供が流行り病に掛かってしまい、高価な薬を買うため、至急、お金が必要になってしまった。かたじけないが、10両貸してはいただけまいか。
心配はしなくても良い。すぐに妻の実家からお金が届くことになっているのだ。返済できるまでは一か月につき1両の利息を支払いましょう。信用のため、30両相当の家宝の壺を担保にするので預かっていてくだされ。ただし、必ず取りに来るので決して流さず、大事に保管しておいてくだされ」
と若者は真摯な様子で懇願した。
貴方は、月1両の利益はどうでも良かったが、若者の身なりの良さや、壺を大事にしていたこと、何より子供の難病の話に同情して、10両を貸すことにした。
しかし、その後、待てど暮らせど、若者は訪ねてこなかった。
3か月が経とうとした時、さすがに不審に思った貴方は、知り合いの骨董屋に壺の価値を鑑定してもらったところ、殆ど価値のない古い壺であることが分かった。
「ちくしょうっ!」
貴方は激怒して、次のいずれかの行動を取った。
①壺を二束三文で叩き売って、他の人が自分と同じように騙されないよう、若者の話を近所に流した。
②壺を保管しておき、近所の人には若者に騙された話と壺を叩き割った話を伝えた。
③壺を叩き割り、騙されたことが商人として恥ずかしかったので、近所の人にも何も言わなかった。
さて、貴方は何番の行動を取るだろうか?
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